「深川さんが本当に俺のことを好きと思ってくれてから付き合いたいんだ。だからアピールさせてください!」

私はどこが噛み合ってなかったか、やっとわかった。

「先輩」

先輩の目をまっすぐ見て、勇気を出して先輩の手を握って、恥ずかしいのを我慢してはっきり言った。先輩も頑張ってくれたから。

「私、先輩と朝のバスがよく一緒だなって前からよく思ってて、それに、実は、先輩のこと、前からずっと好きでした。本当です。先輩のことだってたくさん知ってます。先輩が良い人ってことも、笑った顔が素敵なところとか、いろんなこと知ってるんです。それくらい、わたしも本当に先輩のことが好きです。付き合ってもらえませんか?」

先輩はさっきの私みたいに顔を赤くして、口を少しパクパクさせていたけど、一瞬キリッとした表情になって、私の手を両手で握って、

「よろしくお願いします。」

と言った。

先輩は思ったよりずっとあがり症みたいだし、慌てん坊だし、色々意外な面を見ることになりそうだけど、それでも気持ちは深まるばっかりだから、なんだかんだ私たちはうまくいくとおもう。

これから少しでも長く先輩と一緒にいられますように。





後で聞いた話、先輩も私を意識したきっかけは実は朝のバスみたい。
ある時、私たちの声が聞こえて、このバスの中で誰がいいかの話をしていた時、私が、「よく笑う、笑顔が素敵な人が良いな」っていうのを聞いて、自分と同じだ!と思ったのが本当に初めて私を意識した時らしい。

そんな2人だから、これからも楽しく生きていこうって今話してる。