叩かれた頬は赤く熱を帯びている。

その状態で校内に戻ると、真っ先に親友であり悪友の木下悠斗が話しかけてくる。


「おい、翔太!顔、どうしたんだよ?女の子になぐられたか?」

にやにやしながら悠斗は聞いてくる。


「うっせ」と短く答える、図星と言わんばかりに《どんな女の子だった!?》《一年生か!?》と囃し立てるように聞いてくる。

「知らねぇよ、あんな女。一回やっただけで彼女なれると思ってんのかよ」

「まあまあ、一年生ならしゃーねぇべ。てか結局やらなかったんだろ?もったいねぇな」


相手を選ばず、来るもの拒まずな悠斗は何度修羅場をくぐり抜けても懲りていないようだ。
まあ、それは自分も同じだが。