「ねえ、やるのは良いけどさ、やっても俺は君の彼氏にならないからね?それに君の名前知らないし」
特定の彼女なんて面倒くさい。
遊べる女の子だけで十分だ。
それを理解したうえで女の子逹は寄ってくる。だから遊ぶ。
しかし、一年生の子はまだそれをわかっていない。
女の子は目をぱちくりさせて、「最低!」と言い残し逃げていった。
「最低はどっちだよ」
ポケットの中には女の子らしい字で《今日の放課後中庭に来てください》と書かれた手紙がはいっている。
一方的に呼びつけて、誘ってきて、最後に最低とだけ言い残されて…。
「ふざけんなよっ」
苛々がおさまらず地面を蹴りあげる。
「どうしたの?」
「あ?」
聞きなれない声の方に顔を向けると、そこには地味で冴えない保健医の姿があった。