「調子が悪いのに浮かれた事言ってゴメン。今日はゆっくり休んで」

真面目で優しい菅原君。

大好き。

大好きな人と歩く距離は、とっても短く感じられる。
菅原君と私は家の玄関の前で向かい合う。

「じゃ……」

「うん。ありがとう」
ずっと持っていてくれた私のカバンを、菅原君から受け取る時、手が重なって思わず引っ込めてしまった。

「まだ俺が怖い?」
寂しそうに聞かれて首を強く横に振る。

違うの
単純に好きなだけ。

「来週の事、考えておいて」

「うん」
もう一度カバンを受け取ると、空いた手で私のおでこに手をのせる。
発熱チェック?
だから触ると上がるんだって。
恥ずかしくて真っ赤になってると

「おっ……お……おっ……おねーちゃん!」
最後の方は叫び声と化してる。
一番見られたくない人に見られてしまった。

「どうして?なんで?なんで菅原さん?どうして?おねーちゃん!ナニコレ!」


ひとりパニック。