午後から
珍しくクミンは私のポケットに入り
お昼寝気分でウトウトしていた。
私達は視聴覚教室で、短いドキュメンタリー仕立てであるインドの短編映画を観ていたら、いきなり寝てると思っていたクミンが起きていて、私のポケットの中で号泣を始めた。
それも
私にだけ聞こえる声だけけど
泣き方が半端じゃない。
「ちょ、ちょっとどうしたのクミン?」
話しかけても
この世の終わりとも思えるくらいの声を出し、泣き叫んでいる。
小声で声をかけるけど
届かないように号泣が止まらない。
どうしよう。
とりあえず
気分が悪いと嘘をつき
保健室に逃げ込んだ。
ありがたい事に養護の先生は留守で、私は勝手におじゃましますとベッドに座り、クミンを枕の上に優しく立てかける。
「どうしたの?」
優しく聞いても、まだ泣き止まない。
「クミン」
様子は変わらない
ダメか……しばらくこのまま
泣きたいだけ泣かせてやろうと、思っていたら保健室の扉が開く音が聞こえた。
あ、先生戻って来たかなって
思ったら
菅原君だった。