何と無く声がして目を覚ます。
うっすらと目を開くと見知らぬおじさんが私に何かを向けていた。慌てて目をちゃんとひらいて、おじさんの方を向くとおじさんは少し驚いて

「おはよう、頑張ってね。」

といっていつの間にか落ちていたらしい赤シートを私の持つ単語帳に挟んでにこやかに去って行った。

びっくりしたし、恥ずかしかったけど、かっこいいおじさんだなあと思った。
自分もいつかおじさんになってもあんな風にかっこいい人と付き合いたいな、と少し思って、すぐにまた単語帳と格闘をはじめた。