「言うねー! 雄仁って、どういうのがタイプだっての?」


すると、なぜか雄仁は、触れそうなくらい、

あたしの耳に唇を近づけてきて………囁いた。





「………俺に、

ベタ惚れなオンナ………」





「………ぷっ!」


即行、吹き出したあたしを見て、

「ほらな」と雄仁が肩をすくめる。


「赤くなりもしねーじゃん?

───そもそも、おまえ好きなヤツ、いんだろ」


「………」


適当にあしらうことも、
軽口を叩いて笑い飛ばすことも出来ずに、
固まってしまったあたしを見て、



「顔に出やすいよなぁ……今日、何かあったんだろ」


「………」


「だから、こんな時間に大学戻ってきたんじゃねーの?」


「………」


「まぁさ、───あー、もういいや。とりあえず」


言葉を切った雄仁。顔を上げると……