「煙草は、ハタチから………」
「───残念でした。
俺、メデタク、ハタチになったもん」
「その前から吸ってたよ……」
「健康害するほど、吸ってねーよ」
いやいや、そういう問題じゃなくて、
法律的に……まぁ、いいや。
「あ……
───キレー……」
8階建てに相当する高さまで上がったから、
夜の街灯りが、キラキラと光って広がっているのが目に入った。
その宝石達を眺めながら……
「………ねぇ?」
「あ?」
「……雄仁は、好きな人……いる?」
「今はいないけど……あ、ちなみに、おまえだけはお断り」
「うわっ、感じ悪っ! なんで!?」
「おまえ、めんどくせーもん。
───まぁ、そういう女、嫌いじゃないけどさ。あと……」
「あと、何?」
「好みじゃない」
人のオデコを突っつきながら、
そんな失礼なことを言ってのける。