雄仁は一般教養棟まで来ると、
校舎脇の非常階段を上り始めた。
「……“こんななんだ”……て、どんな?
あたしって……どんな感じ?」
後ろをくっついて階段を上りつつ、小さく呟く。
チラッと振り返った雄仁が、
足を止めずにどんどん先へ進みながら、
「分析してほしいのか?
───おまえ、ややこしいし、めんどくさいんだよ。
周りにわかってほしい、構ってほしいって願望が強い割に、
妙に自分から殻に閉じこもるところあるし、
かといってそれで落ち込むし……。
おまけに末っ子3番目で、淋しがり屋の甘えん坊のクセに、
なんでそんなに甘えるの下手クソなんだ?
………ドンピシャだろ」
「───……」