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「あっはっはっはっ! 香子、相変わらずバカねぇ!」
大口を開けて笑う母親に、
「もうっ! お母さんまで!!」
ぷうっ!と口をふくらますココねーちゃん。
その横で、知らん顔で紅茶をすする郁生くん。
「荷物も重かったし、人波に流されて、反対側にうっかり降りちゃったんだもん。ねぇ?」
郁生くんに「ね? ね?」と同意を求めるおねーちゃんは、
「そのネタ、そろそろどーでもいいよ」
とあしらわれ、
「立場ないじゃーん」とご機嫌ナナメになる。
その光景に……なんだか、信じがたい思いを抱いているあたし。