───……家に、居たくなかった。


サークルとバイトを理由に、あの日から、あたしは朝から晩まで飛び歩いていた。


病み上がりなため、母親に多少嫌味を言われたけど、

───三番目なんて元々放置なもんだから、あっという間に気にされなくなった。


郁生くんとは……

あたしがわざと時間帯をずらしているせいもあってか、

あまりまともに喋っていない。




──『隠し事はしない』──




その約束を、あたしは破ってしまった。


………郁生くんは、多分気づいているだろう。


でも……怒ったりすることなく、あたしへの態度は変わらなかった。