「トーコさん……付き合わせてるからには、隠し事ナシ!だからね」
そんなあたしの行動を不審に思ったのか、郁生くんがこちらを軽く睨む。
「分かってる! ちゃんと言う! 具合悪くなったら、すぐに話すから!」
「───よし」
あたしの必死な回答に笑って、また手を引いてくれる。
あぁ、………やっぱり。
誰の感情なのか───所在が分からないものの、
込み上げてくる、この気持ち。
歩くごとに、
手のぬくもりを感じる度に、
揺らめく“想い”。
“懐かし”くて、
そして────………
…………“愛しい”………
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