車の中で並んで肉まんを頬張りながら───……



「これから……大変だよ」


「……うん」


「ココねえのこともあるし、郁だって余裕ない」


「……うん」


「周囲に知られたら………

場合によっては……“一生会えなくなる”くらいの覚悟だって、しなきゃいけない」


「────……」


肉まんの紙をクシャッと丸め、瑤子ちゃんがこちらを向いた。


「………意地悪なつもりないよ。トコは───」


瑤子ちゃんが、目を細め……


「大事な妹だから………“守りたい”って気持ちは、変わってないよ。

……もちろん、これからも…………」



その言葉───その表情(カオ)から、瑤子ちゃんの複雑な気持ちが、

そして、………あたしや……郁生くんを、本当に心配してくれている気持ちが、分かった。


それだけで、充分………



「…………ありがとう」


「───こんな、混乱してる時に、色々聞いてごめんね」