郁生くんへの気持ちをどうすることも出来なくて、

瑤子ちゃんの温かさに、優しさに泣いた夜。



あの後────さらに前世の繋りも思い出して、

苦しさにもがいて、

沢山泣いて、
沢山傷つけ合って、

まだまだ、前世の記憶に振り回されることもあるけど───………



「心配かけて、ごめん。

でも、瑤子ちゃん………あたし達、これ以外の道は選べない」


「……………」


瑤子ちゃんは少しばかり俯いていて、


「もし、郁生が────……」


「?」


何かを言いかけ、


「やっぱり、いい………トコも何か飲む?」


「………うん。じゃ、ミルクティーを」


「分かった。ちょっと待ってて」


トランクからバッグを出してコンビニに入っていった瑤子ちゃんは、

しばらくして、戻ってきた。


「これ、おまけ」


渡された肉まんの湯気が、ほわっと温かい。


「ありがとう。そういえば、今日はあまり食べてなかったかも」