「………どういうこと……?」


「トコ……9月に実家戻って、秋くらいから、あまり“あのこと”話さなくなったでしょ。

きっと色々あったんだろうけど………どうなったかは、だいたいわかる…」


「────………」


「『良かったね』って、『幸せになりな』とは……やっぱり言えないかなぁ……って思う。

───トコの“姉”で、郁の“叔母”で……ココねえの“妹”としては……」


…………解ってるよ、瑤子ちゃん。

祝福されないことだって。


それを解ってたから、ずっと話を聞いてもらっていた瑤子ちゃんにも、言い出せなかった……


「これから……どうするの? ……なんて、そんなこと聞いても、愚問だよね。

あたしが何か言って解決するなら、とっくにどうにかなってただろうし……

……二人とも身を持って、辛さを知っているんだろうけど───それでも、選んだんでしょ?」


「…………うん」



────夏に、こうして車を停めて、瑤子ちゃんと話した時のことを思い出す。