「トコ、ごめんね、お待たせ」
カチャッと車の扉が開いて、瑤子ちゃんが運転席に乗り込んできた。
「あ、おかえり」
「遅くなって……ごめんね」
「ありがとう」
バッグを受け取ろうとすると、瑤子ちゃんは「あ、大丈夫」とわざわざ降りて、それをトランクに入れた。
「じゃ、次に行こうか」
そう言って、車を発進させた瑤子ちゃん。
あれ………
瑤子ちゃん、顔色悪くない……?
「瑤子ちゃん、気分悪いの……?」
「えっ? そう?」
「運転……代わる?」
「外、寒かったからかな? ……じゃあ、なんかあったかい飲み物買わせて」
「………大丈夫なの?」
「───きっと、トコよりは元気だよ……」
ふぅっ……と息をついた瑤子ちゃんは、ウィンカーをたきながら、
「あんたも……郁も……しっかり気を持ってね」
───車は、コンビニに到着した。