大好きなその笑顔が見えなくなるくらい、涙が溢れてくる。
「……ふっ………う………」
「そんな、泣かないでよー………トーコの涙に弱いから、俺……」
「泣かしてるの……郁生くん……じゃん……」
「………かな?」
ちょっと弱ったような声に、あたしはぎゅぅっと彼にしがみついた。
「…………ありがと………大好き」
そんなあたしを、優しく包み込みながら、穏やかな声で耳元に囁いた。
「………これからも、泣くの、俺の前だけにして。
間違っても………一ヶ谷の前で泣かないでよ」
「………?」
涙で濡れた瞼に、チュッとキスされ、
「可愛すぎて───見せたくない」
「そんなことないもん………」
「ほんと………5歳上ってこと、忘れる───はい、ティッシュ」