悔しくて、少しむくれ気味に紅茶をすすると、


「だって、なんか……トーコさんが可愛い反応するから、つい」


「“つい”って! もー!」


あたしだけがドキドキしてて、不満!


「からかうの、禁止!」


「からかってないよ。それに、俺だって緊張してるよ?」


「信じない、そんなの」


「ほんとだってば───ほら」


あたしがぷいっとしている間に、

いつの間にか、ソファーのひじ掛けの部分に腰掛けてた郁生くんが、あたしのことを引き寄せた。


「わっ……郁……」


爆発しそうで、慌てて離れようとしたものの、

頬に伝わる彼の速い鼓動に───あたしの肩の力がふぅ…っと抜けた。


「心臓、速い………」


「……まじまじ、コメントしないで」


「凄いドキドキしてる………」


「そりゃ、そうだよ。

──もー、トーコさんも意地悪病?」