ジロリ、上目遣いで睨むと、
「うわ、読まれた。エスパー??」
そんなあたしの反応に、郁生くんがくすくす笑ってる。
………あー、好きだなあ……
何気ないやり取りに、こんな仕草にほんわりし、
また一つ、“好き”の気持ちが重なっていくのを感じる。
「それぞれの家によって、休みの日が違うみたいなんだ。
体験したいもの選んで、行く日決めよ。
予約必要なものもあるみたいだし」
「分かった。このパンフレット借りてていい?」
「いいよ。俺、風呂入ってくる。
───あ、と、忘れ物」
そんな言葉とともに、グイッと腕を引かれ………
チュッ
唇に感じた柔らかい感触に、あたしは
「~~~~~!!」
慌てて、唇を押さえた。
「ちょっと元気出た。ありがと」
ぽんぽん、とあたしの頭を撫でる郁生くんに、
あたしは出来る限り小さな声で、叫んだ。
「バカ、家の中!!」
「はーい。お風呂行ってきまーす」