「うーん……なんかさあ? ヘン……だと思わない?」
「だから、なにが」
「なにが……って。なんだかさ、元気ないような? 何か悩んでんのかな? て……
すっとぼけてて天然爆弾な香子とは全く違うタイプだけど……あの子も色々言わないしさぁ」
“天然爆弾”………。
「………気にしすぎじゃない?
だいたいさ、郁生くんだって歴とした思春期なんだし。
───孫っていったって、あたしとそんなに年変わらないんだよ? 色々考えたり悩んだりするでしょ」
「……そーよねー」
あたしは、「タオル、洗濯機に入れるね」と一言はさみつつ、
「まあ、あのおねーちゃんに育てられてるんだから、なんとでもするでしょ。
お母さんが、婆バカしなくて大丈夫なんじゃん?
あんまりうるさくすると嫌がられるよー」
洗面所に移動すると、向こうから「あー、やな感じー」と聞こえてきた。
そんなにやな感じのこと、言ってないじゃん………