「わっ………おっと!」


屋上の穴から上がり切ったあたしは、勢いで前のめりの状態になり───


「いてっ!」


その先にいる雄仁に抱き止められるような形になった。


「あ……ごめっ……」


慌てて起き上がろうとするも────え。


何故か、腕があたしの背中に回ってきて、一瞬あたしをぎゅっと捕まえる。


「んー……体重、戻ったんだ? 良かったな」


「───!!」


そして、固まってるあたしを解放しながら、


「触診」


「ばかっ! セクハラ!!」


手をひらひらさせる雄仁に、あたしはありったけの怒りをぶつけた。


ほんっとに! 油断も隙もないやっちゃ!!


まだ怒り心頭のあたしを余所に、雄仁がゴロリとコンクリートに転がる。



「───そーいや、おまえ、絶交中じゃなかったっけ?」


別に気にしてる風でもなさそうな、のんびりとした声。


「……あれは、……ごめん、言い過ぎた」



「ま、なんも気にしてねーけどな」


「……雄仁なら、そう言ってくれると思ってた」