ついこの前、雄仁のことでおかしな感じになったってのに。
やっぱり、あたしは雄仁に甘えすぎだ。
だって、雄仁………
「………ねえ」
部室のある3階まで上がり切ったところで、あたしは心の中に引っ掛かっていた疑問を口にした。
「なんで、応援したり、助け船出したりしてくれるの?」
雄仁は───あたしと郁生くんの“関係”を……彼があたしの“甥”だと知ってる。
知ってて、郁生くんを試すようなことをした。
そして、両想いになったあたし達。
今も普通のカップルに対してのように、気遣う。
そんな雄仁に、不覚にもほっとしてしまう。
だって……あたし達は、端から見れば“異常”だ。
輸血でもして、いっそこの血を全て変えてしまえたらいいの?………なんて。
くだらないことを考えてしまうくらい、あたし達に逃げ道なんてない。
だから、他人になんて、絶対話せないのに。