その時───サークルの同級生・ニシちゃんが、景品交換のところからあたし達のいる方にやってきた。
「柊子ー、また部室に景品取りに行くって」
助け船!! とりあえずこの場を離れたい。
「あ、じゃ、じゃあ……あたし行くね。
───郁生くん、未桜ちゃん、あまり話せなくてごめんね。
えっと……倉田さん…と、一ヶ谷君、大祭楽しんでいって」
“一ヶ谷君”があたしに何か言ってるのが聞こえつつも、
あたしはすり抜けるようにその場を離れた。
テント裏に回って、先に待っていたニシちゃんへ小走りに寄り、
「もう景品足りなくなった?」
すると、ニシちゃんはクスクス笑いながら、
「いいなあ、高校生からナンパ」
はあ……目立ってたよね。
「景品まだあるけどさ、雄仁が部室行ってこいって。
あのままでっかいのがバカ騒ぎしてると、お客の子ども達も入りづらくなるからかな?
まあ、とりあえず行ってきたら」