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「うわあああぁぁぁああっっっっ!!!」
な………なにごとっっ!?
爆発音みたいにでっかい声が耳をつんざいて、あたしはびっくりして、思わず耳を塞いだ。
ところが───その手が、ぐいっと引っ張られて、あっという間にぎゅうっと掴まれる。
はっ……な、なに??
両手を強く握られて、目をぱちくりしているあたしの前に、
「環ちゃんのごとき、天使の瞳っっ!!」
ち……近いっ!!
日に透けると少し茶色に見える、柔らかい髪の男のコが、
キラキラした瞳であたしを覗き込んでいる。
だ……誰??
「おねーさん! お名前はっ!?」
「あ……あの……」
「───おい、こらっ!」
ぺちんっ!
「イテッ!」
その茶髪の男のコが顔をしかめて頭を押さえ、おかげであたしの手が解放された。
「一ヶ谷、コーフンし過ぎ。回り見ろ」
パーでさらにその男のコの頭をぺちぺちしながら、郁生くんが呆れ顔をしてる。