★    ★


「うわあああぁぁぁああっっっっ!!!」



な………なにごとっっ!?


爆発音みたいにでっかい声が耳をつんざいて、あたしはびっくりして、思わず耳を塞いだ。


ところが───その手が、ぐいっと引っ張られて、あっという間にぎゅうっと掴まれる。


はっ……な、なに??



両手を強く握られて、目をぱちくりしているあたしの前に、


「環ちゃんのごとき、天使の瞳っっ!!」


ち……近いっ!!


日に透けると少し茶色に見える、柔らかい髪の男のコが、

キラキラした瞳であたしを覗き込んでいる。


だ……誰??


「おねーさん! お名前はっ!?」


「あ……あの……」


「───おい、こらっ!」


ぺちんっ!


「イテッ!」


その茶髪の男のコが顔をしかめて頭を押さえ、おかげであたしの手が解放された。


「一ヶ谷、コーフンし過ぎ。回り見ろ」


パーでさらにその男のコの頭をぺちぺちしながら、郁生くんが呆れ顔をしてる。