「あっ、ごめん!」
「や~、やっぱここなんだよね。
ひょうたんはすぐ出来たんだけど、この駒が手強くてね、もう6回目。
どうしても、ここの棒の部分が折れちゃうんだ~」
「えっ!? そんなに??」
まあ、型抜き1回50円なんだけどさ。
「なーんか悔しくて、ハマっちゃって。
───あっと、ごめんごめん、花緒(カオ)」
未桜ちゃんはあたしの隣に視線を移し、顔の前に手をぴっと立てて『ごめん』のポーズを取った。
「いつものことだから、いーよ」
ポニーテールの女のコがそう答えて、
「後でアイスの天ぷら奢ってくれれば」と、にししと笑った。
「天ぷら了解! あ、さくらさん、あたしの幼なじみの倉田花緒(クラタ カオ)。
こんなにちっこいけど、空手強いんだ」
「ちょっとー、“ちっこい”は余計っしょ」
「初対面に“強い”なんて情報いらんし」と、漫才みたいにテンポよくつっこむ感じで、明るいコ。
笑うとぺこっとえくぼが出来て、可愛い。