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とある平日の夕方。


授業を終えて部室に寄ったら、偶然雄仁が一人でいた。


久々にふたりきり。


───告白めいたあの件以来……しかも郁生くんと“一緒にいよう”と決めてから、

なんとなく雄仁と居づらくて。


「あの………雄仁、ごめん……」


あたしの口からこぼれたのは、そんな言葉。


郁生くんのことは説明出来ない。


突っ込まれたら、なんて答えよう……

とにかく雄仁の気持ちは受け取れない、ってことはちゃんと言わないと……と考えあぐねていた。


………なのに。


「───よかったな」


ニヤリ。


悪い顔で笑うヤツに───あたしの暗い気持ちが吹き飛んだ。


え、なんで……。


こんな企んだ顔して笑ってるって……。


「あれ? 本気でドキドキした?」


「えーっと…………え??」