「……てか、笑うしかないじゃん。赤くなってるトーコさん見て…さ」


「…………」


腕の中で顔を上げると、ぱちっと目が合った郁生くんが、「見ないで」と恥ずかしそうにあたしの頭を自分の胸に引き寄せた。


───伝わってくる速い鼓動が、あたしの心をあったかくさせる。


「色々考えちゃって……迎えに行った時にゆーじんさんが言ってたこと、思い出したり。

トーコさんの幸せを応援したいけど……実際目の当たりにしたら、結構キツくって、自分でもびっくりしたよ」


そっか……そうだったんだ。


郁生くんの真実を知って、嬉しくなるあたし。


「……2ヶ月経って……もう、平気になっちゃったんだと思って……かなりショックだったんだけど……」


「───1000年を超える想いが、たった2ヶ月くらいじゃ消えないよ。

そんな簡単には、消せない……」


郁生くんがふっ…と息をつく。