★    ★


────ひとしきり笑った後……



「はー……」


笑い納めに大きく息をついた郁生くんが、


「………トーコさん」


不意にあたしを呼んで。


「んー? なぁに??」


笑い過ぎてちょっぴり涙目になった視線を向けたら、

「はー………」と、もっかいため息をついて。


「やっぱり、だめだ」


そう呟いた郁生くんが、急にあたしの手を掴んで歩き出した。


え? ちょっ……なに?


何がだめなの??

ってか、どこにいくの??


訳が分からなくて、目を白黒させつつ、

────でも、久し振りに繋いだ手に、心臓が跳びはねる。