返事の代わりに、優しい笑顔であたしの頭をポンポンッと撫でる郁生くんに、


「あたし、5歳もおねーさんなんですけどー……」

以前のように憎まれ口を言って口を尖らせてみせる。


そんなあたしに、


「15センチもちっちゃいけどね」

郁生くんが、さらに髪の毛をくしゃくしゃし、


「もー……」



………そんな、思わず懐かしくなるような雰囲気に、

また嬉しくなって、あたし達は久しぶりに笑いが止まらなくなっていた。




────やっぱり、好き。

郁生くんが好きだ。


笑い合う、ただそれだけで、こんなにも心が軽くなる。

嬉しくなる。


あたしの心を天にも地にも揺さぶるのは、あなただけ………