その背中について行きながら────



あたしは……



“真”の愛を信じきれなくなっている自分に対する嫌悪と、

昨夜、郁生くんを傷つけてしまったことへの後悔と、

彼がこれから何を話そうとしているのか、検討もつかない緊張と、

この状況から逃げ出したくなっている自分の弱さと、


……今、目の前を歩く彼の背中を、やっぱり愛しく想う胸の痛みと、



いろいろな想いが複雑に絡まって、



呼吸が出来なくなるような……そんな苦しさにもがいていた……