それぞれのホームに上がる別れ際、「ちゃんと飯食えよ」とぽんっ、頭に雄仁の手が乗っかったと同時に、


────ぐいっ!


反対の手で手首を引かれて前につんのめったあたしは、勢い込んで雄仁の腕の中にぽすん、と収まった。


その状態にあわわわ、と赤面して慌ててるあたしの上から、

ぽそりと失礼な呟きが降ってくる。


「……やっぱ、痩せるって胸からだな…」


「───ばかっ……セクハラっ!!」


なんなのっ! 変態うちゅー人!!

公衆の面前で抱きとめておいて、その言い草っ!!


怒り任せにどついたあたしを、ぱっと離した雄仁が、

あたしの頬をぷにっとつまんで、軽く笑った。


「お、顔赤くなった。ちったぁ進歩だな」


「~~~っっ!!」


ヤツのからかい口調がなんだか妙に腹立たしくて、


「セクハラを怒ってんの! 帰るから! じゃあね!!」



────こういうの、負け犬の遠吠えっていうの?


いや、なんかそれとは違うんだろうけど……

妙に悔しいというか、恥ずかしいというか……


あぁやだ、混乱………