「……ちょっ……っ……」
間接照明で雰囲気のある、少し薄暗い室内。
バリ島を思わせる落ち着いた設えに、アロマの優しい香りが鼻をくすぐる。
そんな中、あたしは次々と与えられる刺激に顔を歪ませた。
「…あ……そこ……」
今までにない痛みにびくっと体を揺らしたあたしは、
汗ばんだ手を握りしめて───絶叫した。
「いっ………いたーいっ!
そこっ…! いたたたたたたたっっっ!!!!」
───雄仁の言っていた『いいトコロ』ってなんなのかと思ったら、
なんとたどり着いたのは、“王様のあし”っていう足つぼマッサージのお店だったのだ。
「あらー、お客様、自律神経が乱れてるの。ここ、“太陽のツボ”って言われてるのよ。
あと、胃腸系もあまりよくないわね~。ほらぁ、ゴリゴリ。揉みほぐしがいあるわぁ」
20代後半くらいの綺麗な店員さんが、ちょっぴりSな笑顔で、グリグリとツボを押してくる。
「あ、だめ! ……そこ……いっ…たぁぁいっ!!」