★    ★


「───なんか…さくらさん、痩せた?」



制服姿でラーメンをすすりながら、あたしの方を心配そうに見る未桜ちゃん。


「あー……夏バテっぽいからかなあ? あんまり食欲なくて」


適当に濁すあたし。


「……そういう痩せ方って、胸から落ちるんだってな」


失礼なことを言って、チャーシューにかぶりつく雄仁。



───相変わらず不可思議な組み合せだけど………この構図も当たり前になってきた。


あたしが酔っ払って迷惑をかけちゃった日から、メールのやり取りをするようになった彼女とあたし。


すっかり呼び名も“未桜ちゃん”で定着し。


その未桜ちゃんに、大学サークルのキッズネーム“さくらさん”で呼ばれるのも慣れてきた。


たまに、──なぜか雄仁も交えて──こうして御飯を食べに行く仲になっていた。


今日は前期の期末試験が終わるというので、雄仁が「食べたいもの奢っちゃる」と集まった。


しかし───女子高生のリクエストが“ラーメン”って、未桜ちゃんらしいってか……。