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「───なんか…さくらさん、痩せた?」
制服姿でラーメンをすすりながら、あたしの方を心配そうに見る未桜ちゃん。
「あー……夏バテっぽいからかなあ? あんまり食欲なくて」
適当に濁すあたし。
「……そういう痩せ方って、胸から落ちるんだってな」
失礼なことを言って、チャーシューにかぶりつく雄仁。
───相変わらず不可思議な組み合せだけど………この構図も当たり前になってきた。
あたしが酔っ払って迷惑をかけちゃった日から、メールのやり取りをするようになった彼女とあたし。
すっかり呼び名も“未桜ちゃん”で定着し。
その未桜ちゃんに、大学サークルのキッズネーム“さくらさん”で呼ばれるのも慣れてきた。
たまに、──なぜか雄仁も交えて──こうして御飯を食べに行く仲になっていた。
今日は前期の期末試験が終わるというので、雄仁が「食べたいもの奢っちゃる」と集まった。
しかし───女子高生のリクエストが“ラーメン”って、未桜ちゃんらしいってか……。