あたしの、この異常とも言える驚き方を、
新宮くんは冗談めかして笑いに変え、手を差し出してくれた。
なのに……その手に、あたしはびくっと身構えてしまった。
頭の中に過る、黒い影の恐怖。
あたしを───私を追ってきた、“あれ”は……いったい、何…?
───まるで怯えるようなあたしの様子に、さらに困惑した新宮くん。
それでも、親切な彼は、あたしに事務室へ行くように言い残し、
あっという間に、今井主任を呼んできてくれた。
そして………
真っ青な顔色と、さっきの一件を心配されたあたしは、
有無を言わさず、その日のバイトを早退することを余儀なくされた………