“一つだけ”、なんて───


本当は聞きたいこと、いっぱいいっぱいある。



郁生くん───何に『ごめん』って謝ってたの……?


『そのままでいて』って、どういう意味だったの……?


どうして、“彼女がいる”ことを否定しなかったの……?


口きいてくれなかった時、何か怒っていたの……?


後悔って───何に……?


真とお花見をした桜の中で、遠い誓いを思い出してしまったこと?

血の繋がりを超えて、愛し合ってしまったこと?

私達の想いが、沢山の涙と血を喚んだこと?

ようやく再会したあの時、死を選んだこと?

生まれ変わった今、……また記憶を引き戻してしまったこと?


郁生くんにとっては───“愛しい”というその想いさえ、

もう、思い出したくもない、後悔だけしか残らない、そんな辛いものなの……?