自転車で!? ───ここまで来たの!?


「ど……どれくらい、かかった…の…?」


「さあ? 1時間くらいだったと思うけど」


郁生くんは、何でもないことのようにサラリと答えてるけど。


……あたし、サイアク……

穴があったら、入りたい……。


とにかく───自転車で家を出て、その途中で瑤子ちゃんに電話をし、波奈さんの家を教えてもらったようで。


雄仁の家で、酔って寝ているあたしを引き取り、

ついでに大学の裏門から抜けられることを教えてもらい、

───現在に至っている、……らしい。



久し振りに会うのが、こんな醜態だなんて。


しかも、顔合わせられなくて、自分から家を出たクセに、

こんな大迷惑──あたし、どこまでお馬鹿なんだろう………