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夜11時を過ぎた頃、郁生くんのケータイが鳴って。
───あたしが酔い潰れたから、迎えに来て欲しい、と杏崎未桜からで。
訳の分からない電話に、雄仁が代わって説明したらしい。
……雄仁のことだから、一体何をどんな風に話をしたんだか、怪しいモンだけど……。
そんなこんな話していたら、11時半の上りの終電の時間を過ぎてしまい……
「じゃ、どうやって来たの……?」
「ん? 自転車」
───はっ!?
聞き間違いかと思い、もう一度言葉をゆっくり区切って、聞き直してしまった。
「郁生くん、家から、何で来たの??」
「だから……自転車」
───え゛っ!!
あたしは耳を疑ってしまった。