見ず知らずの雄仁に話を振られて、

はっ…と夢から醒めたような表情の杏崎未桜が、


「あ……今日は兄貴の家に泊まるって言ってきたから、終電までなら……」


「にーちゃんち、どこ?」


「こっから3駅先の、駅前……です」


「おし、分かった───んじゃ、行くぞ」


勝手に話が進んで………ってか、


えーっ、何がどーして、そうなるの??


────頭を抱えてるあたしを置いてきぼりに。


その訳の分からない決定事項に、

付き合わざるを得なくなってしまったようだった………