元々身体の弱かった母上。

是度のことで心労が重なり、病に臥していた母上。


私と真の逢瀬を知り───自害してしまわれたのだ。


……母上が亡くなったその直後のことを、ほとんど覚えていない。


最愛の妻を死に追いやった私達を、父上が憎しみの言葉で罵ってきたが……


どんな事を言われたのか、
どんな事をされたのか………

辛かったせいだろうか、記憶から消し去ってしまったようだ。



そして、気が付いたら───真がまるで消えるように、いなくなっていた。