前世の甘く切ない記憶に引きずられたのか、
あるいは、目を奪われたあの出逢いの瞬間から、
こうなることが必然だったのか……。
程なく………私と真兄様──真の関係は、大きく変わっていった。
そう、……実の兄妹で愛し合うという……背徳の罪。
勿論、葛藤もなく溺れていった訳じゃない。
この気持ちが前世だけに起因する一時的なものなのか、
───ならば、この悪い夢から覚めればいい、そう思い涙したこともあった。
でも……思えば、城に来てからの思い出の中には、
常に真の笑顔があって、
真が私の側に寄り添っていて、
今の私の全てを、真が作っていた。
そう感じた時、───より一層真が愛しく思えた。
私は、真を愛している。
触れ合うたびに込み上げてくる悦びに、心が震え、
恋しさは増すばかり。