「真鍋さん、講師室か事務室で時間つぶしててくれれば、俺乗っけてってあげよっか?」
「えっ、大丈夫ですよ! 本降りになる前に急げば───」
「いーって、いーって。まだまだ寒いからさぁ、風邪引いちゃうよ!」
そんな会話に割って入るように、数人の女のコ達がキャッキャッと騒ぎながら、
入口の方からあたしを呼んだ。
「柊子センセ~っ! カレシがお迎えに来てるよ~っっ!!」
─────はっ??
誰の???
残念ながら、彼氏なんかいませんって!
何のことやら、と入口を見ると───……
女のコ達に腕を捕らえられて、ちょっぴり困惑しているのは、
郁生くん────だったのだ………。