「お疲れさ~ん」



あれこれ考えながら、
バイト先の講師休憩室でため息をついてぼんやりしていると、

講師仲間で同い年の川地彩香(カワジ サイカ)が、缶コーヒー片手にやって来た。


「あぁ、───お疲れ~…」


「柊子、春季講習少なめにしたんだって?」


「うーん……今、うちの中バタバタしてるから…」


「ふぅん、どしたの?」


「姉が海外行っちゃって、甥っ子が我が家に下宿することになったから……」


「甥? 柊子、甥っ子なんているの?いくつ?」


「4月からこーこーせぇ……」


まったり答えると、彩香が目を輝かせた。