つい………思わず………。


顔がボボッと熱くなるのを感じた瞬間……



「よし! トーコさん、走ろ!」


……急に、郁生くんがあたしの手を取り、走り出した。


「えっ……ちょっ……待っ……」


引っ張られる形で、あたしも走り出す。


砂に足を取られて、転びそうになりながら……



「な……なんで、走るのー??」


「えー、青春っぽいじゃーん?」


「なにそれー?」



走りながら、おかしくなって、笑い出す。


繋いだ手が、熱を帯びて………



この瞬間────


余計なことが、頭から吹き飛んでいた………