普段切れ長でキリッとしている目尻は、笑うとクシャッと下がって、
───あららら、
そーやって笑うと、かわいいでないの……。
どちらかと言うと、アラフォーのくせに幼い母親をたしなめている、
大人っぽい郁生くんばかり見てきていたので、
不覚にも……その……見とれてしまった。
「……トーコさん??」
「───はっ、ま、まあ、これからは姉貴だと思って、頼ってよね」
ちょっと年上ぶってみると
「“姉貴”ってか、“叔母さん”でしょ」
「だ~か~ら~、あたし、まだ大学2年生!
ピチピチのハタチだっての!!」
また、あたしの反応を見て、クスクス笑いながら、
「あー、はいはい。この雑巾使っていいの?」
と話題を変える郁生くん。
くそーっ……
あたしが塾の講師のバイトで教えてる子達と同い年(タメ)のクセに!
────生意気だっ!!!