★    ★


「────そうだ、……郁生くん」


「ん?」


「昨日、ありがとう……」


「昨日? なに?」


「あの……タオルケット……うっかり寝ちゃった……」


「あー……うん」


コーラをごくん、と一口飲んで、ペットボトルのフタを閉めた郁生くんが、


「不良娘は手が掛かりますから」


と、ちょっと意地悪っぽく笑った。


「不良娘ってー……失礼な。瑤子ちゃん、送ってっただけだもん」


「ばーちゃんが『事故でも起こしたかしら!?』て心配してた」


「…………」


あたし、……信用ないな………。