「今日は天気良くて、よかったー」
駅を降りて、あたしは「んー!」と大きく伸びをした。
「………トーコさん、あっちを回って、その向こうに見える坂道から降りていけば、海岸に出られそうじゃない?」
「あ、うん……と、ちょっと待って」
駅を出てすぐの自販機で足を止めて、郁生くんを振り返る。
「郁生くん、何がいーい?
───あたし、桃天にしよ」
「コーラ……てか、自分で買うって」
「いーよー。……はい!」
「あ、ありがと」
「よし、じゃあ出発!!」
見知らぬ土地にちょっとワクワクしつつ、
あたし達は肩を並べて歩き出した。