「………郁生くん、学校は?」
「授業……サボっちゃ、まずいんじゃないの?」
「………授業サボっちゃ、まずいんじゃないの?」
「なんで、これ乗ったの?」
「………郁生くんこそ、なんでこれに乗ったの?」
「…………」
ちょっとひるみつつ、オウム返ししたあたし。
少し間があって───郁生くんが小さく吹き出した。
「………なに?」
「……やまびこ……子供みたい……ククッ…」
「────………」
郁生くん………笑った……
会話は勿論、二人きりで郁生くんが笑顔を見せてくれたのは、
ボタンの件以来、1ヶ月ぶりのことで───