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「…………子……」
誰かが、あたしを呼んでいる。
ふんわりしていて、心地いいのに………。
起こさないでよ、まだ眠い………
「───……こらっ! 柊子!!」
声が、頭の上から降ってきて、
───あたしは、はっ!と目を覚ました。
……母親の怒り顔のドアップが、そこにあった。
「もー。なんでソファで寝てんの?」
「あれ…? あー……風呂上がりに、うとうとしちゃったみたいで……」
昨夜、瑤子ちゃんと話して泣き疲れたのもあって………、
体が温まったら、2階の自分の部屋にたどり着く気力は、残っていなかったらしい。
「あ……ありがと、お母さん」
「なに?」
「あの……タオルケット……」
「知らないわよー?」
忙しそうにキッチンに消えてった母親から、そんな返事がきた。
ふわふわ包まれて気持ち良かったのは、
いつの間にか寝てしまったあたしに掛けられていた、タオルケットのおかげだった。
じゃあ、これ……きっと …………