しばらく口をあんぐり開けていた瑤子ちゃんは、

シートにもたれながら、「ふー…」と息をついた。



「あー……そっか……そういうこと……それで……か」


「??」


「あのコ………15のクセに……随分、大人……」


「……瑤子ちゃん? なぁに?

……よく、分かんないんだけど……」


覗き込むあたしに、瑤子ちゃんは「大丈夫」と微笑んで、


「郁───トコのこと、気づいてないよ」


「そ……そっか」


「だから……トコは、辛いだろうけど、いつものトコでいて?」


「ん……」


「一人暮らしのことは、
───あたしもツテを当たってみて、

親に許可取る時は、一緒に説得するからさ……。

トコが納得いくように協力させて」


「………ありがと…」


「なるべく、……時間見つけて、家に帰るようにするね」


「うん……」


瑤子ちゃんの優しい笑みに、また涙がこぼれそうになった。


大好き……瑤子ちゃん。


小さい頃から───

一番の、あたしの味方……。