「瑤子、次はいつ帰ってくるの?」


そんな母親の問いに、瑤子ちゃんは、


「うーん、分からない。しばらくは忙しいかなぁ。

……また連絡入れるわ。───郁、またね。頑張って」


パンプスを履きながら、瑤子ちゃんが振り返る。


「あ、……お父さん、トコに送ってもらうよ。

────トコ、車出して」


「夜だぞ。大丈夫なのか?」


「まだ時間あるし、安全運転で行ってもらう。

……姉妹には積もる話があんのよ! ふふっ!

トコ、お願いね!」


瑤子ちゃんに促されて、あたしは父親から車のキーを受け取った。